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血中の尿酸値が高い状態が続くと、溶けきれなくなった尿酸が結晶になります。この結晶が関節の中にできると白血球が反応して炎症を引き起こします。この炎症がいわゆる痛風発作といわれるもので名前の由来となった「風が吹いても痛い」くらいの激烈な痛みを伴います。
痛風発作は足の親指の関節に起こりやすいですが、その他にも足首の関節や膝の関節など、あらゆる関節に起こるとされています。痛風はその他に尿路結石をきたしたり、尿酸の結晶が腎臓に沈着すると痛風腎といわれる腎機能障害をきたし、腎不全の原因になります。
痛風は血中に溶けきれなくなった尿酸が結晶になって析出することで起こりますが、尿酸はどこからくるのでしょうか。
尿酸は体内の細胞や食品に含まれるプリン体が肝臓で分解された最終産物として生成されます。このプリン体の産生量が増えたり、尿酸の排泄量が減ったりすると体内に尿酸が蓄積され、尿酸値が高くなります。近年飽食の時代になり、痛風の頻度は増えています。食事などの生活習慣が原因であることが多いため、高血圧、脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を高頻度に合併します。
尿酸の結晶である痛風結節は関節や皮下やその他の臓器にできます。関節にできれば痛風関節炎を引き起こし、脊髄に溜まると神経症状の原因になることもあります。腎臓にたまれば痛風腎という腎機能障害を引き起こし、尿路にできれば尿路結石になります。
関節炎は痛風発作と呼ばれますが、1~2週間程度で次第に症状は治まります。しかし、ここで尿酸値が高いまま油断していると、発作を繰り返すことになります。次の発作は1年以内に起こることが多く、次第にその間隔が短くなり、他の場所にも痛みが出てくることがあります。初回の痛風発作で痛風と診断されれば、その後の高尿酸血症の治療が重要であることが分かります。
高尿酸血症は食事の摂りすぎが原因となることが多いため、おのずと高血圧、脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を合併している割合も高く、これらの合併症である心筋梗塞や脳梗塞などの疾患にかかる可能性も考えなくてはなりません。
AまたはBのどちらか一つが証明されれば痛風と診断できるとされていますが、いずれも注射をする必要があり、痛みを伴いますので通常はCの基準で診断します。数が多くて難しく感じるかもしれませんが、痛風の症状は特徴的なので、痛風を見慣れた医師であれば診断は可能ですので、いつでもお気軽にご相談ください。
痛風の治療は1.痛風発作を抑える、2.尿酸値を下げる、3.合併症の予防の3つでとらえると理解しやすいと考えます。
発作による痛みに対する治療になります。痛みの前兆を感じた時に痛風発作に発展するのを防止する薬と、発作が起こり強い痛みが出た時に服用する炎症を抑える薬を使用します。
発作が落ち着いたら、尿酸値を下げる治療を開始します。まずは食生活の見直しや運動療法などで尿酸値の改善をはかりますが、思うように尿酸値が下がらなければ尿酸値を下げる薬を内服します。
痛風そのものによる合併症(腎障害、尿路結石など)とともに尿酸値の高い患者さんは同時に高血圧、糖尿病、脂質異常症を合併していることが多く、これらの病気を総合的に治療する必要があります。食事療法・運動療法や薬物療法を中心に気長に治療を行っていきましょう。